りり

ルームのりりのレビュー・感想・評価

ルーム(2015年製作の映画)
3.3
この作品は実際にあった実の父親による監禁事件をモデルにして作られた作品です。
ガールインザベースメントも同じ事件をモデルにしていますが、この映画は脱出後の苦悩を描かれていて、別視点で鑑賞することが出来ます。
確かに、脱出後はハッピーエンドで終わる作品は多いですが、そんな簡単に世界に馴染めるわけでもないですよね。
自分が悪いわけではないのに、若い時期の7年間を奪われてしまい、友人の幸せな姿を見たり、監禁の犯人との子が親に認めてもらえなかったり苦痛が伝わってきました。
子供だけでも、すぐに外に出さなかったのは何故か?の問いはすごく考えさせられたし、見ていて苦しかったです。
監禁犯は、しっかり養護施設等に預けるかどうかは別として、もし最初から外にいたなら、息子は別の幸せを掴んでいたかもしれません。
でも、母親として自分が育てたいという葛藤の結果、現在に至るんだろうな、と思いました。
 最後、監禁部屋に別れを告げるシーンはジーンときました。
息子、母親ともに過去を断ち切り、幸せになれればと、感情移入してしまう作品でした。
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