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ルームのKUBOのレビュー・感想・評価

ルーム(2015年製作の映画)
4.5
待ちに待ってた「ルーム」。アカデミー賞レースの頃から大注目のタイトルだっただけに一日千秋の想いで待ってましたよ〜。

ストーリー的にはみなさん知っていると思いますが、拉致されて犯人宅の納屋「ルーム」に7年間監禁されていた女性と、犯人に犯されて生まれた5歳になる子どもの脱出劇。

天窓から見える小さく切り取られたような空。「ルーム」の中で生まれ「ルーム」の中で育ったので、リアルとテレビの境界線のわからない子ども。初めて見る空に目を丸くする。音楽も騒音まで含めて「音」も効果的に使っている。

脱出するところまではハラハラドキドキだけど、予告編では触れていなかった脱出後の方が重たいかもしれない。7年間という時間は拉致被害者の家族にとっても同じだけ流れていて、7年前の父と母ではない。マスコミからの好奇の目や配慮のない質問。幸せなはずの外の世界でふたりの心はさらに傷つけられていく。ふたりに幸せは訪れるのか?

アカデミー主演女優賞を獲得したブリー・ラーソンは時に力強い、時に悩み傷つく女性を演じて素晴らしい演技。「ショート・ターム」の時から注目していた女優さん。今後も楽しみです。また子ども役のジェイコブ・トレンブレイくんはまさに天才子役! すぐにイケメン俳優に化けるの必至! 大注目です。

日本でもつい最近2年間監禁されていた女子中学生が保護されましたが、この映画でも問題提起されているように、脱出した後が、人生を取り戻すまでが本当の闘い。周囲が騒がずに、失った月日を取り戻させてあげるまで、温かい援助が必要だと感じました。

映画ファンのみならず、必見の作品です。
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