すごい映画を見た。ブリーラーソンが2016年にアカデミーで主演女優賞を受賞していたけど、部屋に閉じ込められた親子の話ぐらいの予備知識でした。
wowowで放送されていて、始まる前にオーストリアで実際にあった監禁事件を元につくられたお話だと聞いて見始めました。どんな風に描かれるのか、と。
内側と外側の世界をきちんと描き、登場人物の心の動きにちゃんと向き合ってつくられた映画で、いい意味で期待を超えた作品。心理描写が目を見張ります。
セリフより、ママと僕の心の中を表情で表現されていて、構図も音楽も部屋も、そのためにあって、2人の佇まいや仕草、愛情が痛いぐらい突き刺してきます。
前半1時間で、ジャック役を演じるジェイコブくんが初めて空を見るシーンは、素晴らしすぎました。外の世界に出てからのあらゆることは、とても簡単じゃなくて戸惑いや恐れ、混乱や混沌がたくさんあるけど、この親子が導いた答えには勇気をもらえます。
オープニングでは、ぼくの5歳の誕生日に、ROOMにあるクローゼットやイスに挨拶をして始まり、エンディングでは家宅捜査された抜け殻のような部屋でグッバイをする彼の成長に子供の強さと苦しさと、勇気ある選択に胸を打ちます。
ブリーラーソンと、ジェイコブくんのこれからの作品にも期待したいです。
