NuSuke

ルームのNuSukeのレビュー・感想・評価

ルーム(2015年製作の映画)
4.5
"へや"に"おはよう"と告げて始まった物語は"へや"に"サヨナラ"と告げ、去って終わる。
そして、"へや"で生まれた男の子は広大な"世界"で生きていく。

この映画は重いし、濃い。
"へや"からの脱出で物語が終わると思いきや、"世界"に出てからのジャックとジョイの様子を描くという相当なボリュームであり、それが非常に自然な流れで移り変わっている。

本作はジャックの視点から描かれており、彼が初めて外の"世界"を見た時のシーンに目頭が熱くなっていた。
また、5年間ずっと一緒にいた母親のジョイと初めて離れてから頼もしく見えてくるのがすごく自然で、またまた目頭が...。
本作のもう1人の主人公である、ジャックの母親はジャックとは逆で後半の方で弱くなる。
それは彼女の人生の内の7年間を不当に奪われ、また彼女がどれだけあの"へや"での生活がどれだけ彼女の精神に深い傷を残したかを如実に語っていた。

そして、ジョイの入院を乗り越えて2人が再開した後は本当に良かったなと観ていて思うのであった。
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