ノラネコの呑んで観るシネマ

マダム・フローレンス! 夢見るふたりのノラネコの呑んで観るシネマのレビュー・感想・評価

3.9
NY音楽界のパトロンのおばさんが歌手を目指すのだけど、余りにも音痴過ぎて逆に人気になっちゃう。
エド・ウッドが、今でも映画ファンに愛されている様なものか。
二人に共通するのは音楽や映画に対する深い愛と、素晴らしいものを作りたいという情熱は本物だったこと。
マダム自身は凄くおっとりした善意の人で、その背景もそれなりに描かれているのだけど、ヒュー・グラントの方がちょっとミステリアス。
英国貴族の血を引く元俳優で、マダムより7歳若く二重生活を送る内縁の夫は、どこまで彼女のこと愛していたのか。
ある種のサクセスストーリーとして、コンサートを軸に構成するのは正しいが、コレは音痴なのに世間に出たがる妻を、夫が徹底的に世間から守ろうとする話。
イレギュラーな夫婦のカタチだけでなく、彼の内面がもう少し見えると物語に深みが出た気がする。