予告通りの感動大作だと思うと少し肩透かしを食うかも知れない。現に賛否両論だし。けど、監督はこの話をただ美談として描いたわけじゃないのは感じる。
いいところばかりじゃない。汚いシーンだってたくさん出てくる。言ってしまえばマダムのリサイタルだって、慈善事業も兼ねているとはいえ金持ちだから出来る道楽と言ってしまえばそれで終わり。登場人物の多くが秘密を抱えながら生きている。
世の中の誰もが、人には見せられない何かを抱えながら生きているんじゃないかなあ。その秘密ごと、まるっとすべての登場人物を愛して描いた大人な作品だと思いました。
ただ笑って泣いて終わりじゃない。誰しも人には見せられない何かを抱えながら生きてるから、底抜けに明るく純粋に音楽を愛してるマダムの歌声は嫌な感情なく笑えるのかなあ。
下手なんだけど、めちゃくちゃなんだけど、何だか元気をもらえました。
