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ザ・ダンサーのmのレビュー・感想・評価

ザ・ダンサー(2016年製作の映画)
4.0
彼女は頭を下げることで失敗を芸術にした。
度肝を抜かれるダンスシーン!
圧巻の芸術作品。

モダンダンスの先駆者、実在したロイ・フラーさんの伝記映画。
ロイ・フラーさんを演じたのはフランスの歌手ソーコさん。
ソーコさんの凛とした佇まい、そしてギリギリまで追求したいという、自身がアーティストだからこそロイと通じるものがあったように見える演技力。

ロイ・フラーさんは知らなかったんだけど、イサドラ・ダンカンさんはなんとなく知っていて……ふたりが求める・考えるアートが違うということが理解できた。
ふたりとも両者を気にかけていて、尊敬して切磋琢磨しあっていたけれど、根本的に考え方が違かった。
ふたりともがアーティストだ、と思える。

ロイは、幼少期のことなど自身の中から溢れ出るダンスを踊っているように感じた。
踊らないと生きていけないように見えてしまう。

イサドラを演じたのは、リリー=ローズ・デップさん。
七光りかと思っていたけれど、存在感があって良かった。
しなやかに踊る様は素晴らしかったです。
イサドラは天才なんだろうなぁ、と思う。

今作の一番の目玉は、やっぱりダンスシーンだと思う。
美しくて鳥肌が立た。
終わった瞬間、観客とともに拍手してしまった。
もう涙が……。
1回目と2回目のダンスシーンでは、ロイの表情が違くて辛かった。
2回目のダンスを芸術に昇華させたロイの姿にまた涙が。

パトロンとのセクシーなやりとりも必見。
ひとりのアーティストが極める姿は、心震える。

素晴らしかったです。

ストーリー : ★★★★☆
映像 : ★★★★★
設定 : ★★★☆☆
キャスト: ★★★★☆(ソーコさんに)
メッセージ性 : ★★☆☆☆
感情移入・共感 : ★★★★☆

cc/彼女は夢にすべてを賭けた──
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