Jonayama

CUB/カブ 戦慄のサマーキャンプのJonayamaのネタバレレビュー・内容・結末

3.3

このレビューはネタバレを含みます

あんまり馴染みのないベルギー産のホラー映画。

"Cub"と呼ばれるボーイスカウトのような一団が予定していたキャンプ場が使えなかったためにさらに奥地の地元民もあまり立ち入らないような山中でキャンプをすることに。
いくつかの問題はあったものの大きなトラブルもなく過ごしていたが、その付近には樹皮で作ったマスクをつけた言葉を話せない獣のような少年と不気味な大男が住んでおりあちこちに仕掛けられた罠を発動させながらCubのメンバーに襲いかかる。

大男はいかにもな怪力連続殺人鬼といった風貌だが、マスクをつけた残酷な少年のビジュアルはなんとも得体が知れず不気味でインパクトがある。
また詳しくは語られないが虐待をされた過去のせいか主人公の少年のもつ内なる残虐性が少しずつ発現していき、最終的に彼も獣となってしまうことを暗示するラストシーンへと向かう狂気のプロセスも印象的で皆がこうなるわけではないが幼少期のトラウマがもたらす歪みも盛り込まれていて全体的に暗く重い展開だ。
主人公の少年が大男の手下に成り下がるかそのまま彼をも殺してしまうのかは語られないが個人的には後者な気がするな…

ただスラッシャーホラー的な怖さはしっかりあるのだがこのテの他の映画同様ツッコミどころもけっこう多く、いつかかるかもわからないのにやたら大がかりだったりピタゴラスイッチ的に手の込んだトラップや山中を見張る地下に造られた施設、なぜかゴーカートを乗り回してキャンプ場を占拠していた二人組のチンピラなどたしかに「ん?」と思う点も多い。
主人公や大男、マスクの少年などのバックグラウンドも全く語られず(主人公は養子でCubメンバーに謎の女より彼から目を話すなとの電話がきたと語られる程度)、かなり謎が多い作品だが個人的には意味ホラー映画のお約束のひとつだと思っているのでそこまで気にならなかった。
説明不足が気になるタイプの人にはなかなか手厳しい映画かもしれないがちゃんとホラーしているおもしろい一本だと思う。

しかしCubの子どもたちは小学生くらいだと思うが大人に殴られたり子ども同士で殺し合うシーンや女性の裸が出てきたり極めつけにはあのラスト…リアルでこれから歪まないかちょっとおじさんなりに心配になってしまった(苦笑)
心身ともに健やかに育っておくれ!





余談だがゴーカートのチンピラ、次の日の朝も同じ服を着て同じ場所でゴーカートに乗っていた気がしたのだが夜通しあそこにいたのかな?まさかね(笑)
Jonayama

Jonayama