進行性の病気で脚が不自由になってしまったMIT生のニックは留学のため遠方に引っ越してしまう恋人ヘイリーの引越しを親友ジョナと共に手伝うべく車を走らせていた。
そんな折、以前大学のサーバーをハッキングし危うくニックたちが疑われるような事件を引き起こした"Nomad"と名乗る人物から挑発するようなメールが送られてくる。
逆探知して途中立ち寄れる場所から発信されていることを突き止めたニックとジョナは進路を少し変更するがそこで彼らは衝撃的な出来事と存在に遭遇する。
低予算のようだが風景や映像が美しいカップルの葛藤を描いたロードムービーなのかと思いきや途中から急展開で謎が謎を呼ぶSFスリラーへとなだれ込むクセの強い異色作。
とにかく予備知識を入れずに観てほしいちょっと玄人向けな作品だ。
前半の起伏に乏しいロードムービー感や伏線をいくつも残したまま最後の最後で大風呂敷を広げて見せて終わる作風はライトな映画好きや明確な答えを求めるタイプの視聴者にはすこぶるウケが悪そうだが個人的にはこの衝撃的なエンディングに繋がるなら考察の捗る焦らしまくって謎だらけな展開は十分許容できる。
わかりやすいエンタメ全振りな大作映画ももちろん好きだがこういった攻めた作品も存在価値は間違いなくある。
仕事終わりに観たからか眠くなるシーンがないこともなかったが個人的には満足のいく作品だった。
キャストは無名どころかと思いきや『レディ・プレイヤー・ワン』で観たジェシカ・アルバ似で可愛すぎるオリヴィア・クックや重要な役どころ"デイモン"を演じるローレンス・フィッシュバーン、『マレフィセント』や『キング・オブ・エジプト』のブレントン・スウェイツ、すっかりホラー映画御用達おばあちゃんになったリン・シェイ、『スーパー8』のボー・ナップなど見覚えのある面々も出演しておりキャスト面でもけっこう楽しめた。
