冒頭から登場人物の関係性に違和感があるものの、それに直接触れることなくずっと絶妙なバランスを保って会話劇が進んでいく。
その違和感の正体や原因に気づく頃には、誰も戻れないところまで話が進んでしまっていてすごい絶望感と無力感があった。
なるべくしてなった悲劇というか、全員が全員少しずつおかしかった以上誰もあの筋書きを変えることはできなかったんだろうな…と思いながらラストシーンを見ていた。
演出や舞台装置がシンプルだからこそ触れれば崩れるような空気がすごく効果的に演出されていたように感じる。台詞の間合いや表情に集中できるのも嬉しかった。
マークストロングの凄みと目力に圧倒された2時間だったなぁ。