Sho

帰ってきたヒトラーのShoのレビュー・感想・評価

帰ってきたヒトラー(2015年製作の映画)
4.2
めずらしくマジレビュー

「あんたは怪物だ。」
「その怪物を選んだのは国民だ。みんな普通の人だった。」って言葉がすごい響いた。
たしかにヒトラーはムッソリーニのような軍事クーデターではなく正当な選挙で民主主義に則って首相になったんだよね

ヒトラーは自身が現代にタイムスリップしたのを神の意思、「神意」だと言っていたけど、実際は神ではなく現代のドイツという国に不満がたまった民衆の意思、「民意」がヒトラーというカリスマを求めていたんじゃないかと思う。

ユダヤ人問題についてあまり触れていなかったことは残念だけど、イギリスのEU離脱やアメリカのトランプ大統領就任、各地でナショナリズムが高まり排外主義、保守化が強まる今日の世界情勢の中で、他でもないドイツから最もタブーである『ヒトラー』を扱った社会風刺の映画が出るというのは大きな意味があると思う。
ドイツの人はどういう心境でこの映画をみたんだろう。

撮影の手法もドキュメンタリーみたいで本当にリアルで、見てる途中からこれは現実なんじゃないかって疑うほどだった。
前半はコメディ色が強くてゲラゲラ笑いまくってたけど後半にいくにつれてヒトラーがどんどん恐ろしくなっていった。

そしてヒトラー役の俳優がそっくりすぎて途中から本当にヒトラーを見ているような錯覚に陥った。

あ、あとこれは是非映画だけじゃなくて本を読んで欲しいです。
Sho

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