漆黒堂本舗

骸 -MUKURO-の漆黒堂本舗のレビュー・感想・評価

骸 -MUKURO-(2015年製作の映画)
2.9
一話30分ほどでサクッと観られるオムニバス形式のシチュエーション・強ゴア・グチャグチャスプラッタ作品が2話だけ配信(本当は3話らしいのだが)。
無数の蛆虫が涌いた暗い汚部屋。横たわる女は孤独死した死体…かと思いきや、投げ込まれた猫の死体に獣のようにかぶりつくという、なかなか私好みのオープニング。
ストーリー?そんなモン不要ですよ。監禁に至るまでの流れなんて容易に想像つくのだから脳で補完すればいいだけのこと。鳴り続けるロック?全然気にならない。セリフを聞く必要ないし(笑)
尺が短いのだし、挟み込まれた小芝居で親子関係は把握できたからあれで充分。
2話目も同じ。なぜ新興宗教にのめり込んだかなんて過程はどうでもいい。アタマのおかしい家族が居るぞ、程度で充分。
どちらの話も潔く派手に決着をつける所がいい👍ゴア描写は気持ち悪いけど怖くはない。
むしろ私が怖いと思ったのは、えげつない行為をしている輩が見た目普通の人々だということ(1話目の坊主頭は除外)。1話目の犯人3人中2人(坊主頭は除外)は茶髪や金髪ですらなく、服装も地味なフツーのお兄さんたちだ。2話目もそう。傍から見たら典型的なフツーの家族だ。娘たちに至っては茶髪どころかJKメイクすらしていない。お母さんだって、家族を送り出したら寝転んで煎餅かじりながら昼メロに熱中してそうな人だ。昼メロが宗教に取って代わったらああなるのかぁ…と感慨深くもあった。
まあ、いかにも〇〇な人が何かやらかしても興が削がれるだけか(笑)
普通の人々の恐ろしさや日常に埋もれた狂気がこの作品のテーマなのかもしれない。
チープな小道具相手に迫真の演技お疲れ様です。