平凡な水商売サクセスストーリーだが、ギリギリ残っていた東京の花街の風情など、貴重な映像や風習などを見ることが出来る作品。
ヒロインの渥美マリは今一つ着物が似合わないのだが、さすがに立ち振る舞いはできていて、ファッションとのアンバランスさは帳消しという所か。
関根恵子が当時役柄と同じ実際に15歳で、初々しい姿が見どころ。
この後女優としてかなり壊れてしまうのだが、今でも女優を続けているのはスター性があったからだろう。
1970年の東京の街並みの映像は貴重だが、個人的に風鈴が鳴る路地裏や焼き芋屋がいる小道などが強烈にノスタルジーを感じられた良い映像だと思う。
それにしてもヒロインの設定が19歳ってのはすごい。
実際に渥美マリは撮影当時19歳だったようだが、19にしてお妾さん、その前に水揚げなど、今では児童法に引っかかる完全な犯罪行為ってのが時代の違いか。
念願のバーを開店したのがたぶん20歳だろう。
ここまでこれだけ波乱万丈な人生。この後このヒロインはいったいどうなったのか想像もつかないってのも見どころかな。
主題歌を入れたためにちょっとショボいラストシーンとなってしまったが、大切な物を捨てて夢を成し遂げた哀愁もあり、それなりに楽しめる作品。
余談。
どうしても関根恵子と早瀬久美を混同してしまう。笑
長い間「おれは男だ!」のヒロイン「吉川くん」が関根恵子だと勘違いしていた。
関根恵子は「太陽にほえろ!」のジーパンの彼女とおぼえておこう。笑