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ジョン・F・ドノヴァンの死と生のhideのレビュー・感想・評価

4.0
《人気スターの生と死を美しく切なく描いた良作》
若くして亡くなった俳優、ジョン・F・ドノヴァンと11歳の少年ルパートとの文通で明かされる真実。

俳優となったルパートのインタビューにより回想していくストーリー展開。

11歳の少年ルパート(ジェイコブ・トレンブレイ)とジョン(キット・ハリントン)には幾つかの共通点がある、母との微妙な関係、セクシャルマイノリティ、俳優を志す者。
転校生のルパートは子役ということもあり同級生からいじめられていた。
母親は仕事で留守がち、ルパートはジョンとの文通が唯一の心の支えとなっていた。

私が一番心に刺さったのはルパートの母親への手紙。
何も言わずとも子供は親のことを一番よく見て知っている。

そのジェイコブくんの演技が素晴らしい。子供の純粋な気持ちとスターに対する憧れを全身で表現、可愛らしくて目が釘付け。
『ワンダー君は太陽』『ルーム』でも彼にキュンキュンしたように本作でもジェイコブくんに魅了された。
ルパートのママ役はナタリー・ポートマン、彼女はいつものキラキラした美しさを消していて普通っぽさが良かった。
他にもキャシー・ベイツも好演、私は鈍いので後半になるまで彼女だと解らなかった。

人気スターの光と闇の部分となるといつもフレディ・マーキュリーを思い出してしまう。
スター性のある天才や有能な人程、繊細で孤独なのだと改めて感じる。

ジョンの最後は…
ジョンもルパートとの交流により明るい未来をみていたはず。

バイクに乗るシーン、悲しくないラストが良かった。

最後に、このドラマはフィクションです。
ドラン監督が8歳の頃、ディカプリオにファンレターを書いたという思い出をヒントにした作品。
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