ma097

ジョン・F・ドノヴァンの死と生のma097のレビュー・感想・評価

3.5
今回は、今までのドラン監督の作品との共通点、相違点を探すようにして鑑賞。

音楽の使い方、光の入り方、色彩、速度変化(スローモーション)、画角は、Theドラン監督の表現で鳥肌が止まらなかった…特にstand by meの使い方が個人的にはとっても好み、、!まさに観客が主体的に映画に参加できる瞬間(ドラん監督が映画に音楽を用いる主な動機)。

sexシーンで照明が赤くなるところは胸騒ぎの恋人を思い出したし、JFDの複雑な表情(周囲にとても気を使う繊細さ、抱えきれない孤独、空虚な目)はたかが世界の終わりの主人公を思い出した。

一貫して母と子の愛情を描いてきたドラン監督の集大成としてはかなり、スマートにまとめたなという印象。今までは、斜め上の設定や背景があったため、愛情の矢印も複雑だったけど、今作はすごく一般的でシンプルな母子の愛情描写に見えた。そこに存在する有名スターとの文通、そして死という要素を混ぜることによってより複雑な人間関係を生み出しているところはドラン監督のセンスだなあと思った。
JFDがなぜイギリスの子供と文通を始めたのか、セクシャリティについて、家族について、なぜ死んだのか、様々なクエスチョンを残している点も、鑑賞者に思考の余地を与えていて何回も楽しめる作品だと思う。
あ、ラストシーンのマイプライベートアイダホのオマージュは胸熱🔥🔥🔥🔥🔥
ナタリーポートマンにジェイコブって有名俳優で固めたキャストもかなり印象的。
そしてフランス語じゃない違和感よ…あとNYが舞台ってこともあって賑やかな街並みはかなり新鮮だったな、、
ドラン監督の新作が見れる世界に感謝!!
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