＜宇宙からの来訪者を入り口に異文化コミュニケーションを語る＞
ばかうけと公式がコラボしたインパクトが強くて、逆に観るきっかけを失っていた本作をアマプラ見放題終了を機に鑑賞。
少しテンポが遅めかな。映画館で観たら長く感じてしまっていたかも。
でも、このテンポの遅さこそが、未知の物体に対して慎重に行動をとろうとしている主人公たちの心情とリンクしている。
対応を急かす彼らの上司を鏡に映し出される主人公らの慎重さで強調されるのは、異文化コミュニケーションのあるべき姿だった。
文化が全く異なる相手を理解するのって一朝一夕にはいかない。
主人公の言動から相手が使用する言葉を自分たちの言葉に翻訳していくのって
こんなにも大変なんだってのが伝わってくる。
それに言語を少し翻訳できたからと言って、すぐに相手を理解することができない。
例えば、相手の言葉で「武器」と表されるものが必ずしも私たちの言葉の武器と同じものを示すとは限らない。
そのような異文化コミュニケーションの難しさが丁寧に描かれている。
物語の入り口は「宇宙からの来訪者」でSFに思えるけど、こうした丁寧な描写の中には私たちが日常で直面する「異文化を持つ人々と出会ったとき、どうコミュニケーションしていくのが良いのだろうか」という疑問への答えを示しているように感じられた。
