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メッセージのWOODYのレビュー・感想・評価

メッセージ(2016年製作の映画)
4.0
SFというジャンルにおいて、人とエイリアンが出逢い、それが未知の存在である時、ほぼ必ず「武力衝突」が起こる。
この作品はそういった今までのありがちなSF作品に一石を投じるものだと思う。

未知の存在が現れ、恐らくエイリアンだろう、という認識を地球人は持つが、ソイツ(?)はただそこに佇み、攻撃をしてくるわけではない…目的すら未知。
「敵対する存在なのか?」それすら分からない地球人は先制攻撃を仕掛ける訳にも行かず、唯一の手がかりである音(エイリアンの声?)をヒントに、言語学のプロフェッショナルを頼る。

美しい映像の中で繰り広げられるストーリーは基本的に静かな雰囲気で、画作りも薄ぼけたトーンの色調。

「言葉には力がある、時には生きる希望を与え、時に呪詛の様に人を蝕む」…そんな事を思いながら見ていたが、終盤には「コミュニケーションの重要性」から「コミュニケーションとは何か?」に頭をシフトさせられる、力強い展開が待っていた。

個人的には、言語学や独自言語について興味を持つキッカケにもなってくれた重要な作品なので、少し加点。

原作小説もぜひ手に取りたい。
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