途中までは壮大なストーリーとして期待できていたが、ラストに向けて少し違和感が残り、最後はちょっと物足りない気持ちになった。
意思疎通というのは、お互いが理解できているかということが大切。
思い込みで理解したことでトラブルに発展する経験は誰しもあるのではないだろうか。母国語でさえ起こり得ることを多言語もしくは全てが謎に満ちている言葉でやり取りをするという無謀(そう)なストーリー。おまけに、これが戦争に発展するかもしれないというドキドキ付き。
言語学者だからこその理論展開が新鮮で面白かった。概念から入り込む考え方は凡人には及ばない。そこまで考えて教え込むのはさすがだと思う。
また、展開の構造がこの映画のラストに大きく関係する。随所に種明かしの鍵があるが、それらは私達観客を騙し、何が起こっていたのかを主人公とともに体感出来る。
しかし、わたしにはどうもそれがマイナスになってしまったようにも感じる。
日本語訳では伝わらない何かがあるのか分からないが、私には分かりづらかった。
