人間の死と記憶をめぐる1つの在り方。
本編前にアナ雪のショートムービーが上映される。クリスマスにおける家庭の伝統をテーマにオラフが冒険するあらすじ。
その後、本編へ。先祖の1人が音楽のために家族のもとを去ったことから、主人公ミゲルの家庭では音楽が排除されている、というところから。これもある意味伝統のようなもので、繋がりを感じる。
ミゲルは音楽の道に憧れていて、家族と夢の間で揺らぐ。そんなとき死者の日に国を代表するスターのギターを盗んだことで死者の国に。
死というものをメキシコの文化を通してカラフルに明るく描いていて、死ぬこと自体には哀しさを与えないような演出。そこが良い。あまりない気が…。死者の国なんて現実世界よりも色とりどり！CGの賜物。
ちょっぴり宗教を信仰する人の気持ち。こういう世界に死後いけますよーってなったら信仰したくなるよなぁ。ただ残された人たちへの救いだけれど。
そして伏線の配置具合が上手い。
必要な台詞、音楽、キャラクターがスムーズに繋がる。主題歌のリメンバー・ミーは日本版の方がポップなんだね笑 字幕だから大人っぽいリメンバー・ミーだった。
原題がCOCOなのが納得。
ミゲルは家族が再生するキーパーソンだけれど、おばあちゃんのココと父親の物語でもある。
2人の回想シーンで泣けた…。
すっごくメッセージはシンプルでストレート。
最近読んだ小説に、
原子の集合体でもある人間は死んだらもともとの原子になり、この世界に混ざり合っていくっていう視点があって、ここではつまり亡くなってもみんなこの空気の中に存在するって形で素敵だなと思ったけど、『リメンバー・ミー』も記憶を引き継いでいく限り生き続けるって形で、思い起こして語り継いでいこうって思ったな。
私遺言書けるなら死後はメキシコ式希望です笑
