ねんどおにいさん

リメンバー・ミーのねんどおにいさんのレビュー・感想・評価

リメンバー・ミー(2017年製作の映画)
4.9
ファミリー向け映画として完璧に限りなく近い大傑作


ディズニー、ピクサー映画作品は一本も残さず全部観ている俺氏。
今作は事前に公開されていたイメージボードが余りにも素晴らしく、ギターを背負った少年=音楽がテーマになるという事で、音楽映画好きの俺としてはもうこの上ない期待で観に行ったのだが…


実際はその期待を上回る素晴らしい作品だった。


まず勘違いしていたのだが実はこの映画、音楽はテーマになっているものの、実際音楽はそこまで映画の主軸になっている訳ではない。
別にコレは音楽の映画でなくても良いのだ。
音楽はこの物語を進めるためのマクガフィンであり他の物に置き換える事すら出来る。
確かに最初は音楽映画として観に行ってるワケで、ちと残念ではあった。

が、しかし練りに練られた脚本、映像、そして効果的に使われる数少ない挿入歌。
その全てが高品質で混ざり合って大傑作に仕上がっている。


まず素晴らしいのは脚本。
近年のディズニー、ピクサー作品で多くなった、多少のどんでん返しを用いたトリッキーな脚本なのだが、伏線の張り方が丁寧でかつ自然で効果的に働いている。
その上テーマも「家族の絆」から一貫してブレず綺麗に纏まっている。
角のない真円のような作品。


挿入歌も実は4~6曲程度しかないのに全てが良い。石橋陽彩くんの歌声がビビるくらい透き通っていて上手く聴き惚れる。
歌声だけでキャスティングされたのかと思ったら演技も出来る、齢13であそこまで出来れば十分過ぎるくらい十分である。

「音楽はいつまでも」と共に迎えるラストシーンは近年の映画作品でも希に観るほどに素晴らしく感動的で、歴史に残るレベルの名エンディングと言えよう