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溺れるナイフのoden8のレビュー・感想・評価

溺れるナイフ(2016年製作の映画)
3.6
あなたは、永遠に一緒になることのない恋をしたことがありますか?

ちょっと先の方にいそうな人か、側にいてくれそうな人。
若い頃は迷うよねぇ。だって、未来への希望が果てしないのだから。
それと同じくらいの恐怖も抱えてるか。
だから、心が揺れるんだろうな。

今の僕には、大友くんがええやんと感じてしまう…。
いつでも自分を笑顔にしてくれる存在って、そんなにおらんのになぁと強く感じる。
あんなにも切ない吉幾三の"俺ら東京さ行くだ"を未だかつて聞いたことがない。
大好きな人と笑うことが、大好きな人を笑わせることが…あんなに心がズキンズキン疼くことってあるもんなぁ。

でも、こうちゃんに心が縛られてまう気持ちもすんげぇ分かる気がする。
何やろなぁ…その人とおると自分が"ちゃう自分"になれそうな感覚。
こうちゃんには、危うさと希望が同居してるように感じるもんね。

その人とおる時にしか感じれん"幸せ"は確かにあるもんなぁ。
その"幸せ"が、幻想なのか実感なのかは…恋している時には気付き辛いもんなんかも。

菅田将暉くんと小松菜奈ちゃんのキラキラ感が眩しく、時に痛みを伴う。
なんとも新緑の様に青々としている。
そこに、重岡くんの優しく暖かな陽射しが降り注ぐ感じが心地よく、心を緩和させてくれる。

もっと違う観方もできるんやろうけど…今日の僕は、恋に揺れる少女の物語ということにしておきたい気分。

僕にも、一緒にいることが叶わなかった"忘れることのできへん女性"がおることに心がむず痒くも、悪い気分ではない。

原作未読。

cast(役者·キャラ) 4
story(物語) 3
architecture(構成) 3
Picture(映像) 4
acoustic (音) 4
22-163
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