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溺れるナイフのshinobuのレビュー・感想・評価

溺れるナイフ(2016年製作の映画)
3.0
ジョージ朝倉先生の原作は未読です。よく考えたらピース・オブ・ケイクぐらいしか読んでなかった。
さて、ジョージ朝倉先生原作の映画「溺れるナイフ」ですが良かったです。

菅田将暉くんも24歳で、小松菜奈さんも21歳。10代役をやるのにはもうギリギリだろう。
最後の10代でしかないキラキラとした美しい瞬間を、美しい風景と共に記録したアイドル映画とも言える。

16歳の頃に、吉本ばなな先生の「TUGUMI」と牧瀬里穂の映画「つぐみ」にハマりまくった頃のような、10代ゆえの根拠のない無敵感と無力感…そんな気持ちが蘇るようで、観ていて恥ずかしい気持ちもあれど、素直に楽しめました。

何はともあれ菅田将暉くんである。男から見ても美しい。
菅田将暉くんの美しさがあるので成功してる。神の子のよう。

田舎で浮きまくりの小松菜奈の存在も良かった。なんせ母ちゃんが市川実和子だもんな!90年代から知ってる人からしたら信じらんねー!高校生の娘を持つママ役だって。

文句がない訳ではない。
原作が10年近くの長期連載だったせいか、観ていて急な展開が気になったり、菅田将暉くんがちょっと乱暴過ぎだったり気にはなるシーンはある。

あと、最後のドレスコーズの曲はいいんだけど、劇中に流れる歌モノのポップミュージックがうるさい。邪魔。
最後の劇中劇が酷い。あれで賞?ふざけんなよ。
そもそも、小松菜奈の容姿はこの役にぴったりだが台詞回しがあまり良くないのだ。
最初にモデルで写真集とかいう設定は当然説得力あって凄く良かったのに。
あと大友君ええ奴なんだけど、小松菜奈に友達友達て…好きなくせに最後まで「ええ奴」でいいのか。
そして、あの男との決着はそれで良いのか…もしバレたら菅田将暉くんも小松菜奈も…

とはいえ、あの美しいロケ地。
魅力的な俳優陣。最後のこっぱずかしいシーンと共に記憶に残りそうな映画であった。
原作貸して。
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