月tsuki

溺れるナイフの月tsukiのレビュー・感想・評価

溺れるナイフ(2016年製作の映画)
3.4
私の中に最近フランス映画が芽生えつつある。そして、この作品はとても近いところにあった。

この世の中にジャンルで語れるものはないと、思う。けれども誰かの目線で見た世界の有り様を感じて、その目線そのものかもしれない、近しいものに名前をつけて心に焼き付けたいと願う。

私のフランス映画は映画という媒体でありながら台詞をつみかさねることで世界を見せるような作品のことだ。台詞というと語弊があるかもしれない。それは音ではなく静止された文字が脳裏に焼きつくような体験のことだ。

私は原作を知らないのだけれどみていて少女漫画のようだと強く感じた。大好きな少女漫画は漫画とは大きく異なるものだ。そう感じるのは私が男だからかもしれない。自分には理解しえない感性を感じるからだ。といって男が書けないわけではないことは承知しているけれど。、

音楽も、音楽の流れはじめる感じも何かおかしい感じがする。そして、おかしいのはおそらく私なのだろうと考える。

この世の中に映画というものは存在しない。映画らしい脚本も、音楽も、構図もない。心を動かす何かに名前を付けて心に焼き付けたいと願う。その思いこそが映画であって欲しい。
月tsuki

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