Iri17

溺れるナイフのIri17のレビュー・感想・評価

溺れるナイフ(2016年製作の映画)
3.8
少しポランスキーの『水の中のナイフ』を思い出した。タイトル似てるだけかもしれないけど。

女子高生の溢れる自意識を繊細に描いている。「いまどき」の監督しか撮れないねこれは。全てまやかしと虚構の時代でいくら自分を作ったって自己肯定感は満たされない。冒頭で流れる大森靖子の「絶対彼女」が象徴するように、自らが自らを肯定するしかない。社会も人間関係も虚構のピンと張った緊張の糸で成り立っているから、周りは本当の自分を見てくれないし、認めてくれないのだ。

そんな時に、ありのままに生きている男に惚れるのは至極当然。

でもこの映画中盤から急につまらなくなってしまう。菅田将暉のキャラクターが臭すぎて。なのでちょっと点数は低いが、小松菜奈の演技とそのキャラクターは本当に素晴らしかった。
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