けんさん

葛城事件のけんさんのレビュー・感想・評価

葛城事件(2016年製作の映画)
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終始真綿で首を絞められてるような、喉元が息苦しくなるような、そんな感覚になり続ける映画でした。
絵に描いたようなハラスメント父、父に支配されており子を溺愛しすぎる母、幼い頃優等生だったことが重荷になり現実に潰される兄、そんな家族に囲まれて何も希望を見いだせない弟。
絶望すぎる。一時家出をして父抜きの三人でご飯食べてる時に『最後の晩餐は何が良いか?』その話をしてる時がこの映画の唯一の息抜きシーンではないか?
自分の思ってることや気持ちを表現する場っていうのは大事なんだと。
外に出さないとそれが正しい事なのか悪い事なのかがわからないんだな、この父は自営業を継いで社会に出ていないことでモラハラ男になったのでは。
二トラムという映画もそうだったが、全てに絶望して希望を見いだせなくなった時、最悪を選択してしまうのかな
兎にも角にも苦しい映画でした。