ぱぷぽ

葛城事件のぱぷぽのレビュー・感想・評価

葛城事件(2016年製作の映画)
3.8
開き直るその態度が気に入らないのよ~!!と言いたくなるような三浦友和さんが出てきます。

THE男前の三浦友和さんがこんな嫌なおじさんになるなんて…というのが最初の感想に来てしまうくらい嫌な三浦友和さんが観れます。

『エレファント』のような実際にあった映画を題材にしているのかと思っていたのですが、調べたら実際にあった無差別事件の何件かを題材にしているので、まんま一つの実際の事件を描いてる映画ではないみたいです。

実際に事件を起こす次男含めて、みんなどこにでも居そうな人間だし、どこにでもいそうな家族なんですよね。
どこにでも居そうな家族なんですが、なんかすごい嫌な雰囲気の家庭なんですよね…

中でも一際お食事のシーンが異様なんですよね。
まず普通の食事が一度も出てこないんですこの家庭。
お母さんの南果歩は大体一人でコンビニ弁当とペットボトルのお茶飲んでるし、わずかしかない食卓を囲んでいるシーンでは(父母の二人だけですが)ピザだし。朝から!!
『冷たい熱帯魚』の冒頭でも終わってる家庭の象徴にチンするだけのご飯を並べた食卓が出てきてたので、普通に見える葛城家もなかなか終わっているのでしょう。

多分お父さんの理想の姿が長男で、自分の嫌なところを煮詰めた姿が次男なんだと思う。
長男には期待を込めて厳しく躾たのか、パッと見は恐らく大卒で成功した立派なサラリーマンですが、とにかく自己主張が出来ないみたいで営業職なのに営業は出来ないし、結婚もデキ婚かな??とにかく流されて流されて…

次男は受験に失敗したのかフリーターでバイトを転々として引きこもっては、いきなり「声優になる」とか言い出すヤバいヤツ。しかも「一発逆転しますから」とか言って何かしている様子はゼロ。

恐らく三浦友和も大学は出てないか、就職に失敗したかで金物店を引き継いだ人生に負い目を感じてるんだとおもう、一発逆転を長男に託したって感じ。
でもマイホーム建てて、子供を大学に行かせられたんだから立派なもんだけど、あの金物店でよく…という感じ。

犯行のシーンもなんか雑で、リアルな無差別殺傷事件てこんな感じなのかな…って雰囲気が凄いです。みんな見てないで逃げろよ!!!!!!!!

願掛けのミカンの木がとにかく切ない。
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