舞台はチケット手に入らなかったので、せめて映画は観ようと。
この人たちはこれほど家族に固執していながら、互いに誰も信じていないし、自分のことしか考えていない。
違和感と不協和音。
しかし
悲しいかな父親と弟はよく似ている。
プライドばかり高くて自己顕示欲の塊。
兄は母親に似ているのだろうか。
ことなかれ主義を貫くばかりに、気付けは遥か彼方まで流されてしまう。
確かに親で、確かに子だ。
そしてそこにデリカシーもなく踏み込んでいく田中麗奈。
赤堀監督の映画は、前作もそうだったけど、現象を見せることに全力が注がれていて、答えや問題さえ提起するつもりはないのかもしれない。
でも自分の腹をスクリーンにされているような不快感。そして親近感。
好きだとは言えないけど、次も観てみたいと思わせる。
なんていうか、ここに出てくる人たち、全員言葉が通じない、会話にならないタイプ。
そういう生理的に受け付けないような人間をこの人たちほんとにリアルに演じるよなぁ。
役者の力が強い映画だった。
あー新井さんが弟演じたの、観たい！
