ころぴ

葛城事件のころぴのレビュー・感想・評価

葛城事件(2016年製作の映画)
3.8
通り魔殺人事件を起こした
殺人犯と家族の話
大分前に観たのですが
なかなかまとめられず
今日に至りました…

んーこれは辛い💦
やりきれない思いが一杯
子供は生まれた時は無垢だったはず
生まれたときから殺人犯ではない
殺人を犯す人間は
何らかの闇を抱えている気がする…
子供達が可哀想に感じた。

封建的な父親
それに服従する母親
長男は父親の顔色伺いながら
上手く取り入る
自分を押し殺しながら…
次男は不器用だから、
長男のようにはできない
父親の逆鱗をもろにくらう

マイホームを建てた頃は
それでも均衡は保たれていたようにみえていたが
どこから狂ってしまったのか…
子供が小さい時は従順だし、妻だけ服従させるのは簡単。でも、
いつまでも父親の天下が続くはずがないと思われるのに…
男の子なら力関係で逆転する現実もあり得るのに…
矛先は外に向いてしまったのか…
どうにもできない家族関係から
皆、転げ落ちて崩壊していく

一発逆転するからと
口癖のように言っていた次男
定職につかずニートの日々
この状態を脱するのは
親子共々非常に難しいと思うし
本人も脱しようと努力しているようにも見えなかった…

一見、
しっかり社会生活を送っていたと
思われた長男は
社会適応能力が欠けていた
コミュニケーションがとれない
偽りの心が崩壊するのには
時間はかからなかった
自殺の道を選ぶ

兄に対して「だっせぇ死に方」
俺は一発逆転するから…
この逆転が
通り魔殺人だった…

「俺がいったい何をした
国がおれの息子を殺すんだ
それで許してもらえませんか」
近所のスナックに飲みに行った時
かつての近所の人に罵倒されて
父親がはなった言葉
それでも毎日飲みに通う
自分は悪くないから…

「俺はやるべきことはやってきた」
父親は自分の生き方は
正しかったと主張する…
奥さんも、長男も、次男も
誰も戻ってこないあの家に
避難を浴びながら
落書きを消しながら
一人で生きていく
次男のあの日(死刑)が来るまでは…

皆が帰って来るのを
待っていたのだろうか…

通り魔殺人がおきたとき
逃げられずその場にすくんでしまう
人々が多かった
そして沢山の人が刺された
遠く離れていた人が「逃げろ!」
その声でやっと逃げ出す人がいた
自分も逃げられない一人の気がして
凄く怖かった!

親だけがが悪いのか
子供は悪くないのか
子供が自分自身で変わることができなかったのか…

家族だけで他に関わる人、頼る人がいなかったのか…
いろいろ考えてみても答えは出ない
本当にどうにもならないって
このことかもしれない
愛情がどこにも感じられなかった
あったとしても
伝わらない愛情が空回りしていた
そんな気がしました…



獄中結婚したあの女性は
何なんでしょう(-_-#)
自己満足の世界に浸って
最後までイライラさせられっぱなし
本題がそれてしまう存在に感じた。
この女性も自分のことばかり
自分は正しいと思い込んで
自分の思いを勝手に押し付けて
周りの人を傷つけ
誰も救えない…
この物語りに必要だったのかなぁ…
ころぴ

ころぴ