Chico

ミューズ・アカデミーのChicoのレビュー・感想・評価

ミューズ・アカデミー(2015年製作の映画)
3.8
数年前にゲリン特集上映で観たけど記憶があいまいなので再鑑賞。当時の印象を思い出しつつ感想をここに。

現代におけるミューズ像を探るため、ピント教授はバルセロナ大学で「ミューズ・アカデミー」を開講する。生徒達と議論が繰り広げられ、ダンテにとってのベアトリーチェ、アポロンとダフネ…と神話を例に命題をディグる。しかし議論は教室の外へ飛び出し、生徒達の私生活に入り込む。教授の妻は'恋愛は物語が作り出したもの'と彼のミューズ像を否定するが、生徒の中にミューズ論を実践しようとピント教授に近づく者が現れる。

ドキュメンタリーのようなフィクション。ドラマのようなドキュメンタリー。

初めて観た時驚いたのを思い出した。「シルビアのいる街で」が好きなのでそういう言葉の少ないイメージだけの作品を期待してたら…
教授も生徒も機関銃みたいにしゃべりまくり、アカデミックな議論が突然俗っぽいエロスに変わる…。
ゲリンのエッセンスを見誤っていました。真面目な雰囲気の中に涼しい顔でユーモアを投げ込むそのセンスを見落としていたようです。

人の顔を捉えるシーンの連続、ガラスに反射した景色とそこに重なる顔などは前作に通じるものがありました。

言葉の量に耐え切れず途中5分くらい集中力が切れましたが、ゲリンのセンスはやはり好きだし、世界を見る視点、映像へのアプローチの仕方には気付かされる事が多々あります。
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