ミューズ・アカデミーの作品情報・感想・評価

ミューズ・アカデミー2015年製作の映画)

L'Accademia delle Muse

上映日:2017年01月07日

製作国:

上映時間:92分

3.6

あらすじ

バルセロナ大学哲学科。イタリア人のラファエレ・ピント教授が、ダンテ「神曲」における女神の役割を皮切りに、文学、詩、そして現実社会における「女神論」を講義する。社会人の受講生たちも積極的に参加し、議論は熱を帯びる。生の授業撮影と思わせる導入部を経て、教授と妻の激しい口論へと移る。やがて数名の受講生の個性も前景化し、次第に教授の行動の倫理が問題となってくる…。

「ミューズ・アカデミー」に投稿された感想・評価

これもフィクションとドキュメンタリーの境界線が曖昧だけど、ストーリーとしてはフィクションなのだと思う。しかしこの作品で教授のミューズとなる女性たちをゲリンのカメラはなんと美しくガラス越しに捉えることか!その美の秀逸さ!
ドキュメンタリーからドラマ(フィクション)への曖昧な混乱が、教授のミューズたる女性たちの揺れる心の奔放さを伴い、女性に対してというよりミューズに束縛されているのは教授ではないのかと思える素晴らしさ。
取り巻きのミューズたちに崇拝されているように見え、でもミューズの存在無しには教授の言葉も意味をなさないような、一見勘違いしがちだけど、女性崇拝映画であったなあ。
これもダンテ「神曲」絡んだ映画。女神論を説く教授の講義から教授や生徒の実生活まで、恋愛も絡めて描かれる。ドキュメンタリーなの?フィクションなの?と途中でわからなくなったけど、それもそのはず、その線引きをあえてしなかったそうな。QAで補完できて満足
skm818

skm818の感想・評価

3.7
登場人物全員が全編理屈っぽいことを喋り倒していて途中眠くなったが、だんだん人間関係がきな臭いことになってきて、目が離せない展開に。本妻が夫の愛人をカフェに呼び出してマウンティングってバルセロナではフツーのことなのでしょうか汗汗。
主人公の大学教授はダンテを題材に恋愛や詩的霊感の源泉について熱く語り、主にジェンダー意識について学生たちに盛大に突っ込まれながらも一部の女子学生を魅了しているのだったが… いやこれ結局授業で妻より若い女をナンパしたいだけなんちゃうか? しかも隠さず開き直ってる。さすがイタリア出身(偏見)。
学生の方も教授のこととは別に好きな相手がいたりもして、この人たちの倫理観はいったいどうなっているのだ?と思ったりするが、その手のことが芸術的実験という理屈で正当化されているのはヤバい。教授の言うことを間に受けて真面目に詩を作ってダメ出しされてるぽっちゃり系女子かわいそう。
愛とは本棚を共有することだという教授の名言はなるほどだった。西洋映画に時々ある、別れる時に本棚から自分の本だけ引っ張り出して持っていく行為というのは、2人の関係的にも決定的な何かなのだろうな。
これ多分ダンテの神曲読んでたらもっと面白かっただろうな。真面目に読んでないのが悔やまれるところだ。
車のフロントグラス越しのハレーション入った映像や道行く人の映り込みなど映像も美しかった。
spacegomi

spacegomiの感想・評価

2.8
溶ける風景、何層にも連なる画面の上に浮かび上がる男女の顔、オフの声。欲望や軽薄さが剥き出しになる。下世話で身も蓋もない話なので見やすかったけれど、画の戯れにはあまり興味を抱けなかった。キャロルの方がずっとよかったなー。
トト

トトの感想・評価

3.6
そうか、恋愛は文学の生んだくだらないものだったのか
フレームとしての窓ではなく、ショーウィンドウとしての窓。
女を彫刻として展示するための窓。

偶然性の反射としての窓。

このレビューはネタバレを含みます

空想の愛の談義は、現実に変わるのか
教授のいうしは音楽である。
感情はコントロールできるのか。
現実に行われた講義と、脚本によるフィクションが共存する。どごまでが現実で、どこからが創造なのか。
愛ゆえの嫉妬。動物的な感情から離れたところに、人間はいるべきだ。欲望とは感情か、それとも性あいか。
しかし人としての愛と嫉妬があると思う。攻撃的な言葉たちは、愛と嫉妬の裏返し。メタモルフォーゼ。
あらゆる場面が詩的。ポエトリー。
愛してる、という言葉がない。だから訳せない。でも愛している。愛している、ということばがある国の人々以上に。
無生物主語。自由。
ミューズは男たちが作り出したもの。
彫刻も、絵画も文学もしも。
男たちは、女を神にしてしまったのよ。
作り出してはいても、理解してはいない。
ダンテにとってのベアトリーチェ。
文学は恋愛という虚構を生み出した。被害者はいつも女性だ。愛という幻想を抱かせる。
Aki

Akiの感想・評価

4.3
『シルビア〜』のような顔を重層的に並べたショットがあったり、一瞬でダフネ逃走に切り替わるショットは面白いし、何よりオフスクリーンの扱いにこだわるホセ・ルイス・ゲリンだけに前半の各層が溶け合うようなフロントガラスのショットに瞠目する分、正直、単なるクローズアップなどになると苦しい。何よりこの衒学談義で映画という媒体を選択していること自体ミスとしか思えない。
meo

meoの感想・評価

3.8
高尚な入りだったけど、意外と俗人ぽいところがみえておもしろかった。
女。
海馬

海馬の感想・評価

3.0
文学のない恋愛なんてありえない女たち

彼女たちが追求する理想のおんな(ミューズ)とはなんなのか、映画が終わっても釈然としない。
様々なアプローチで彼女らは自らの言葉を探している。
ひたすら詩作を続けるおんな、自分のことばにネットで会った男を引き止める力があると信じてやまないおんな、羊飼いの歌の中に愛を見るおんな…

ミューズを追いかけるあまり、教授から良いようにあしらわれている哀れなおんな。

思った展開とは違ったがそこそこ面白く観た。
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