ハッピーエンドのsxxiのレビュー・感想・評価

私達の罪を、私達が、静かに見つめている。　

実はミヒャエル・ハネケ監督の作品を初めて観たのだが、本当は誰にも気付かれたくない、一生思い出さずにこのまま死ぬまで忘れていたい自分の深淵を、無機質に触れられているようで好きにならざるをえなかった。
スマホに吐き出す包み隠さない欲望を見つめていれば、本当にその人の真実を理解できるのだろうか。
終始生温く不穏な時間が流れ、湿度の高い不快感が強制的に自分と向き合せる。
神様が見えない私達を裁くのは、いつだって私達自身だ。