ハッピーエンドの作品情報・感想・評価

ハッピーエンド2017年製作の映画)

Happy End

上映日:2018年03月03日

製作国:

上映時間:107分

3.7

あらすじ

ロラン家は建設会社を経営し、瀟洒な邸宅に3世代で暮らしている。両親の離婚のため離れて暮らしていた孫娘エヴは、ある事件をきっかけに、父親トマと一緒に暮らすため祖父ジョルジュたちの住むフランス北部のカレーに呼び寄せらせる。85歳のジョルジュと13歳のエヴには、誰にも言えない”秘密”をそれぞれに抱えていた‥‥

「ハッピーエンド」に投稿された感想・評価

〈/“正常”ってなんだろう/〉

【Introduction】
つながる
つながる
つながるよ
縦に横に
斜めに下に
人に出会えば手をつなごう
つながる
つながる
つながるよ
上に後ろに
前に手を伸ばし
強い絆で結びましょう
つながる
つながる
つながるよ
つながれなくても大丈夫
つながったように見せましょう
なぁに心配しなくとも
みんなつながっちゃいないんだ
本当はつながっちゃいないんだ
たとえ家族が嫌いでも
たとえ周りに馴染めなくても
人類みんな兄弟だから
地球は大きな宇宙船だから
電波に乗せて対話して
レンズ越しに会いましょう
心の感度を下げましょう
心の痛みを止めましょう
孤独に
孤独に
(誰か私を助けて...)

【Review】
この映画の監督は“ミヒャエル・ハネケ”さんです。
もうタイトルの時点で『あ、察し...』です。
映画のあらすじは...
《母が薬の過剰摂取で倒れ》
《父の再婚先の家族に引き取られた少女》
《家族は温かく出迎えるが》
《少女には秘密があり》
《家族もまた秘密を抱えていた》
こんな感じです。(文章区切らないと書けなかった...)
厄介な脚本だったのでオブラートに包むのが難しいのですが、まぁこんな感じです。
というのも、家族構成がゆかいなサザエさん以上に愉快なことになってまして...人間関係を理解したのがエンドロール間際という、、ね、笑。
いや僕が名前覚えるの苦手とかそういうのじゃなく、リアルに観客の半数近くは脳が混乱してしまうと思うのですよあの家族。なんだあの家族。
んでそこに家政婦とか弁護士とか不倫相手も追加されていくからね。たまったもんじゃないですよ...。
登場人物は四畳半に収まるくらいの人数にしとくれよ...。
(どういう基準?)

日本のとある事件がこの映画を撮るきっかけになったそうだけれど、やっぱりこういった問題って万国共通なのかなって観終えたあと思いましたね。
《心の麻痺》
《逃避》
《レンズ越しの景色》
スマホやパソコンのおかげで僕らの生活は随分と豊かになったけれど、その代償は大きかったのかもしれません。
いや、こういった機器は悪くないのかな。
元々、人間はこんなものなのかも。
壊れやすく、
崩れやすく、
脆いガラス細工のような心で、
それを壁で囲って囲って囲って囲って、
バレないように溶接溶接、
そうしてできた要塞が僕らの正体なのかも。
だったら、
この映画の彼らは僕らと何ら変わりないのかも。。
この映画のことを観賞後調べていると、今作の登場人物のことを《頭のおかしくなってしまった人たち》と表現していらっしゃった方がいまして、、ああそういう見方もあるのかと思いました。
そりゃあそうですよね。こんな奴ら、赤の他人だと割り切ってしまうのが正常な反応ですよ。異常な奴らだといって突き放したほうが楽ですからね。
でもね、
この人たちは僕らなんですよ。
僕達の映画なんですよ。
だから考えてほしいなって。
遠ざけてしまう前に。
だってハネケ監督は、
《考えてほしい》がために映画を撮ってるのだと思いますから。。

【Digression】
正直言って読み取れなかったところがたくさんあるのでまた観たいです。
観たらその日ずっとブルーな気持ちで過ごすことになりますが、それでも観返したいです。
凄い映画でした、、。
NOOO000ooo

NOOO000oooの感想・評価

4.0
なんか日本っぽい陰湿な事件だなーと思いつつ鑑賞後調べたら、日本の少女の薬殺未遂事件からインスパイアーされた作品のようですね。ってことは少女が着ていた「I ★ JAPAN」ロゴのTシャツの意味って。。。笑
しかし、普通に見える子の残虐な事件ってスマホ後にさらに加速してそうで恐ろしい。
ミヒャエル・ハネケの新作を時期が遅れてしまったが、弐番館的な劇場で鑑賞。
期待通り鬱な作品で嬉しくなってしまった。
冒頭のスマホで撮影しながらのナレーションとその後の行為により、人間の黒い部分を描く事をしますよ、と宣言するかの様な展開で思わず身構えてしまった。
物語の実質の主人公である少女 エヴ、再婚した父親は浮気してる様子、その姉は息子を溺愛してスポイル、使用人の娘が犬に噛まれて怪我をしてもそれ程深刻にならない情が薄い。その息子は自分に自信が無い。黒い感情がある訳ではなさそう。そして祖父は.....。
一番、黒くてぞっとするのは、エヴで感情を表に出す事は父の車の中で毒を盛られて入院した母を思って涙する場面だけだ。
映画タイトルの『ハッピーエンド』なぞある訳は無く、黒い感情の人間もそれなりに生活していくだろうし、周りにも居るっていう事で非常にシニカルのスパイスが効いたものだ。
ラストのスマホ画面を通したイザベル・ユペールの表情が印象的でブラック過ぎて笑ってしまった。
なるみ

なるみの感想・評価

4.0
愛する人の手によって命を絶つことができたら、どれだけ幸せなのだろうか。
そう考えたらこの終わり方は「ハッピーエンド」なのか?興味深いところ。
広告の宣伝がいまいち肝心な部分を掴んでいないなと思った。切り替わりカットで不快感のある音が多用されているのは好きではないけれど、画はきれいだった。
commonlaw

commonlawの感想・評価

2.0
ハネケの意地悪性がスマホの映像とブラックコメディに集約されてしまっており非情に退屈。
scarface

scarfaceの感想・評価

3.4
ハネケさん、全く衰えてませんな。本作もキレ味鋭いです。タイトルからして、おちょくってんなーって思ってましたが、そう来たか。
ゆき

ゆきの感想・評価

3.5
たんたんと進む物語の中で、いきなり衝撃的なことが起こり、リアルだなと思いました。
マコ

マコの感想・評価

-
決定的な何かはほぼないのに、なぜか画面から目が離せない。アナイス…良い人だと思ってたのに…。途中でおじいさんが黒人の男の子たちに話しかけてたのは何だったんだろう。タイトルがすごい。
chihiro

chihiroの感想・評価

-
二人が待ち合わせる冷静で残酷な人としての一面それが二人を惹きつけ、脳天気に生きる人を現実へと戻す

SNSを通すことでより身近に感る世界観
netfilms

netfilmsの感想・評価

4.0
 スマートフォンの縦型のカメラに映された1本の動画、脱衣所で寝支度をする女性は無防備な背中を晒しているので、カメラを向けているのは、彼女の血縁家族に違いない。歯磨き、うがい、排泄、消灯という日頃のルーティン・ワークを覗き見るスマフォ・カメラの冷徹な視線は、『ベニーズ・ビデオ』の主人公が夢中になった屠殺場面が大写しになったVHSや、『隠された記憶』で家の前から撮影された差出人不明のVHS映像の視点の延長線上にある。画面下のテキスト・メッセージとバルーンは、確かにそこで行われた母親の映像に、ほんの少しの不毛な色を付ける。彼女はSNS上の誰かの問いかけに、無邪気な言葉を返す。だがそこには生々しい生のやりとりなどなく、どこか寒々しいエスカレートしていく言葉の羅列だけが次々に書き込まれる。やがてその縦長のカメラは研究室のマウスに薬物を投与する。『ベニーズ・ビデオ』でスタンガンを打ち込まれた豚、『タイム・オブ・ザ・ウルフ』で人間の飢えを食い止めるために喉元を切り取られた馬のように、人間として動物を真に見下して来た少女の冷淡な眼差しによって死に至らしめられる。

 今作もこれまでのハネケ作品同様に、中産階級の緩やかな没落を描いている。ドーバー海峡に面したカレーの街に住む3世代の家族構成。建築業で一代で財を成した家長のジョルジュ(ジャン=ルイ・トランティニャン)は既に引退し、娘のアンヌ(イザベル・ユペール)を社長に、その息子ピエール(フランツ・ロゴウスキ)を専務とし、母親の元で働いている。アンヌの弟のトマ(マチュー・カソヴィッツ)は最近、再婚した美人妻アナイス(ローラ・ファーリンデン)との間に末息子のポールが生まれた。一見順風満帆に見える一家の暮らしぶりだが、その食卓はいつものハネケ作品の底冷えするようなディスコミュニケーションに包まれる。豊かな中産階級は、移民に対して身勝手な無知蒙昧を繰り返す。社会の不寛容と教養あるブルジョワジーの欺瞞、いま世界で起きていることに徹底して無関心で自閉症的な社会の闇を抱えた13歳の少女エヴ(ファンティーヌ・アルドゥアン)の登場がもたらす亀裂と波紋、突如崩れ落ちる工事現場の地滑り、事故で犠牲となった遺族を巡るロング・ショットの暴力、そしてこの家に引き取られたエヴと父親との不和。折り目正しいリバース・ショットで繰り広げられる緊張感のあるやりとりは、老人から少女へ伝播した死の欲望に他ならない。SNSの殻に閉じ籠った少女の自閉症的な病巣は、カレーの開かれた海を前にしてもただひたすら縦長の画面に閉じ込もる。
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