大きな鳥と小さな鳥の話が結構大事なんじゃないかと思った。現実でぞっとできるのならまだよくて、実際にはもうメディアがあまりにも浸透してしまっているから、現実であっても画面の中であっても同じく無感覚になっている気がする。そういう意味で、前作『愛、アムール』との共通性よりも、メディアに対する問題提起をメディアである映画で投げかけるっていう皮肉さが久々にハネケらしい感じがして、ちょっと嬉しい。もちろんそれは『セブンス・コンチネント』を筆頭かつ頂点とする初期の作品でもう完璧に映し出されていることではあって、同じ主張の繰り返しと言ってしまえばそれまでなのだけど。
大学の最寄りのTSUTAYAが先日遂に閉店してしまって、そこで最後にレンタルした作品がこれでした。4年間たくさんの素晴らしい作品に出逢わせてくれてありがとう。ハッピーエンドで良かった。
