よどるふ

ちえりとチェリーのよどるふのレビュー・感想・評価

ちえりとチェリー(2015年製作の映画)
3.6
脚本の島田満さんに主演の高森奈津美さん、そして中村監督という座組みは『ジュエルペット てぃんくる☆』を思い出す。内容的にも、本作のテーマのひとつであるちえりの“想像の力”には、『てぃんくる☆』2話におけるあかりの“将来の夢語り”を連想した。

全体としては、冒頭の車中で眠りから覚めるちえりに当たっている陽の光をはじめとして、照明の仕事の丁寧さに感心しながら観る50分だった。物語的にもその生命の生死を視覚的に表す“命の灯”というギミックがあるため、光(および影)の描写には力が入るのも肯ける。

冒頭の車中での母親とちえりの会話(「それ、置いてきなさいって言ったのに持ってきたのね」「“それ”じゃない!」)や、ネズミと猫への“命名”、エンドロール前のちえりの最後セリフなど、周囲の他者に「固有の名前があること」の重要性を示すシーンが多いもが印象的だった。
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