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ガタカのOのレビュー・感想・評価

ガタカ(1997年製作の映画)
3.6
今だからこそ見るべき作品。
差別に法的拘束力はないという言葉が刺さる。

音楽といい、ストーリーといい、
とても20年以上前の作品とは思えない。

遺伝子の限界に打ち勝とうとした主人公と
優秀な遺伝子の重荷に耐え切れなかったジェローム。

能力があったのに、2位止まりだった
ジェローム、いや、ユージーンの
『そんな俺を演じることができるのか?』
それは彼の願望にも思えた。

身長を伸ばす手術ってこの頃からあったんだなあ(笑)

適性者が優遇される世界で生き抜く為の努力は並大抵じゃないけど、流石に汗やまつ毛や唾液なんかは隠せないよね。

遺伝子のエリートであるユージーンの
キャラクターがとても好きでした。

努力家である主人公ビンセントは勿論すごいけど、素直に成功して着実に夢に向かっていく彼を献身的に応援できていたのは、彼がやはりエリートであることに加え、自分の遺伝子をフルに活かしてくれる主人公に自分の夢を託していたからなんだろうな。

『身体を貸す代わりに夢を分けて貰った』
自分だったら素直にこんなこと思えるだろうかと考えてしまった。

そして、主人公は主人公で、劣性遺伝子の自分を見下し、必死に現実へと引き摺り下ろそうとした弟をまた海で助けるとは思わなかったなあ。
だからこそ、彼は主人公なのかもしれない。

全てを知っていて送り出した医師もかっこ良すぎやろ。

ビンセントはまさに、全ての人類にとっての希望だと言える。
遺伝子の可能性、限界を打ち破って見せたのだから。

ラスト、炎で金色に輝くメダルが切なくて愛おしかった。
彼は間違いなく、この作品における金メダリストでした。
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