できるかな

ガタカのできるかなのレビュー・感想・評価

ガタカ(1997年製作の映画)
4.7
人間の顔では認識できない、科学分析によってのみ個人を判別できるようになって“しまった”世界は、いまではより想像しやすいかもしれません。本作は1997リリース。
生きたい、願望を叶えたいという欲は人間をpositiveにします。欲はpositive/negativeの相反であり表裏一体でもありましょう。
“自分らしさ”とは自己のみでは認識できなくて、他者・周りからの認証によってはじめて“自分“を知ると読んだ気がします。
デジタル認証の世界でも生体的な交換(コミュニケーション)によって他者からの認証、自己認識を得られる、とのメッセージとも思いました。

愛/あるいは自己破壊は、それぞれにおいて自己認証の跨ぎ方によるのかもしれません。愛は投げたボールがそのとおり返されること(あるいは投げられたボールをそのとおり返すこと)、自己破壊は他者からの認証を得ない自己認識のひとつの解答とも考えられそうです。
いずれかがpositive/negative ではなくて、「認証」とはそのようなシステムのことを指すのかもしれません。

意義深いストーリーと、それに没頭させられるビジュアルでした。
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