べ

ガタカのべのレビュー・感想・評価

ガタカ(1997年製作の映画)
4.7
こういう映画に出会えると映画が好きで良かった〜って気持ちになれる
世界観もストーリーも演者の美しさもラストまでも全部が完璧

ずっとハラハラひりひりして、バレないかなあ大丈夫かなあって心配になって、苦しいような切ないような…なラストだった

ヴィンセントもだけどユージーンが覚悟ガンギマリで、怯むヴィンセントを叱り飛ばすのが意外というか
"適性者"が不慮の事故で障害を負うなんてどれほどの絶望か…と思ったら、ふとこぼしたあの時はシラフだったって言葉にハッとさせられる
適性者には適性者の地獄がきっとあって、適性者の中にも優劣がどこまでも着いて回る
だからこそ"神の子"なのに運命に努力で抗おうとするヴィンセントに夢を託すじゃないけど、もう一度生き直すことが出来たような気がして、だからこその最後の決断なのかな
ジュード美しすぎるよ😭

実はアイリーンも神の子なんじゃないかってちょっと疑いながら観てたんだけど、そっか〜…お医者さん?検査技師?もそうだけど、実は局長もヴィンセントの正体に気がついてたんじゃないかな
そのうえで決められた運命を生きないといけない中で、運命に逆らう彼を密かに応援してた人や救われた人は少なくないだろうな

ヴィンセントの努力ってどれほどのものなんだろう
想像を絶するなんて言葉じゃ足りないくらいなんだろうな
運命をひっくり返すなんて、人の叡智を踏み越えて神に逆らう神の子なんて、それはもう適性者よりずっとずっとすごいんじゃないかって気がしてくる
仮に私がガタカの世界に神の子として産まれたとして、どれほど星に憧れてもこんな風には生きられない
そこに痺れる憧れる〜ッ!てやつですよ

遺伝子操作で優秀な子を作る、いわゆるデザイナーズベビーが近いのかな?なんか遠くない未来にこんな世界になっちゃうんじゃないか、なんなら片足突っ込んじゃってるんじゃないかって気がしてくるけど
最後の最後に人の価値を決めるのは遺伝子でも優秀さでも体力でもなくて、魂の高潔さであって欲しい

しみじみといい映画だった
人生映画に仲間入り
頑張れなくなった時に見返そう

『地球には居場所がないと思っていたのに、去るのが辛かった
命は宇宙の塵から産まれたという
僕は故郷に帰るのかもしれない』
べ