Chiaki

ガタカのChiakiのネタバレレビュー・内容・結末

ガタカ(1997年製作の映画)
3.9

このレビューはネタバレを含みます

主人公の語りからどんどん吸い込まれていって、自分の生まれてくる子供の健康状態や寿命が分かるだけでなく、遺伝子工学によって、希望通りの性別や髪の色、目の色、肌の色の子供が生まれてくる未来に、始めはとても魅力を感じました。
もし本当に、未来でそんな技術があったらすごいなと思う反面、今の私たちは同時に不適合者なのだと思ったら、そんな作り上げられた才能を余所目に、きっと私は恨みと嫉みに狂って生きていけないだろうなと確信。
そんな未来で、不適合者のビンセントは、希望を捨てずに夢だった宇宙飛行士を目指します。弟のアントンに水泳で勝利する場面は、心の強さは誰にも偽れないのだと教えてくれました。

そして、適合者として生まれてきたにも関わらず、下半身不随となってしまったジェローム。この世界は彼を更に追い詰めます。そして自分と戦い続ける彼らの友情や、ビンセントの恋。ある殺人事件をきっかけに追う弟と、追われる兄。内容もとても見応えがあって、SF、サスペンス、ロマンス、様々な要素を楽しめる作品です。

メッセージ性が強く、うまく言葉では表せられないけど、「死ぬまでに観たい」なんて言われる理由が分かった気がします。

完璧な人間を作り上げることができたら夢のようだけど、不完全だからこそ、自分の可能性を限界まで追うことができる。だから人間は素晴らしい。
Chiaki

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