解説を漁ったら私の理解力が劣ってて心の中で土下座した。自分が感じたことを誰かの語彙力によって表現されてたときの爽快感！すごく良かったので、もう一度みるときのためにネタバレメモのこす！
ジェロームが焼却炉に向かう意味に納得できなくて解説漁ってたんだけど、全体を通してざっとメモ。
基本的には『驚異的に優れたDNAをもって生まれた故に死を望む（死にきれない）ジェローム』と『不適正で劣った遺伝子をもって生まれながらも宇宙に行く夢を叶えようとするヴィンセント』の対比。
可能性や未来について、二人の会話の節々には対照的な想いが吐露されてる。｢地球には居場所がなく、命は宇宙の塵から生まれた｣というのがジェロームの真髄にあるのと同時に、2人は｢命は故郷に還るもの｣だという信念をもっている。
ヴィンセントは、自分が宇宙空間に行ったら心臓疾患の発生率をさらに高めてしまうことが分かっているにも関わらず宇宙に行くことを諦めなかった。対して、自殺を失敗し続け死にきれなかった過去をもつジェロームは｢自殺こそが自分が生まれもった遺伝子への最大の反逆｣と思っていたのかな。死の確率があがるのに、尚ひたむきに夢を叶えようとするヴィンセントの姿をジェロームは自らの勇気に変えたのかも。（焼却炉のシーン）
ロケット発射シーンと焼却炉での自殺シーン。綺麗な宇宙の景色と炎に燃えて金色に輝く銀メダル。ジェロームにとっての銀メダルは辛いプライドの象徴だったけど、ようやく解放されたという意味合いで銀メダルが金メダルに反射する演出？このそれぞれのシーンは、二人が各々思い焦がれていた夢が叶った瞬間を意味して描かれている。
塵となることで命を故郷に返したジェロームと宇宙に行くことで命を故郷に返したヴィンセント。ジェロームが宇宙に旅立つヴィンセントに今後一生分のサンプルを用意したのは、ヴィンセントはきっと宇宙から帰還できると信じていたから。ジェロームはヴィンセントの可能性を信じることで、自らの可能性をも信じ、遺伝子に反逆することができた。
不可能は可能にできるというメッセージよりも、個人的には男と男の友情をはるかに超えたロマン映画にも受け取れたなぁ。
