イマジンカイザー

ゴジラvsコングのイマジンカイザーのレビュー・感想・評価

ゴジラvsコング(2021年製作の映画)
4.2
まさしく怪獣プロレスを冠するに相応しい試合運び、それぞれのキャラ立て、前作からの伏線回収。ついでに更に下がった人間たちの民度。
『髑髏島の巨神』、『キングオブモンスターズ』それぞれの良いところを引き継いだ快作(怪作)と言って良いかなと。

言っても流石に徒手格闘だけのコングでは、熱線持ちのゴジラには手が出ないでしょう、と思っていたら、類人猿らしい機動力に『物が持てる』という個性を活かし、投擲や素早い立ち回り、更には先祖代々受け継がれてきた斧でやり合う様は痛快愉快。人間の都合に振り回されて、身体的にも肉体的にもいじめ抜かれるその様には感情移入せざるを得ない。

ゴジラ側にしても、元のシリーズにあった『あの』要素を使い、人類がコングに頼らざるを得ない状況を作るのは上手いし、まあ前作からすれば人類が『あんなこと』をすれば怒るのも当然だなと。
もう玩具発売と共にネタバレされている気がしなくもないですが、『あちら』も古今東西からネタ元を拾って組み込んでいるし、意図したものかどうか解らないけれど、平成vsシリーズコミカライズで観たあの展開をも引っ張ってくるのには驚きました。

本当に、前作を経てなお懲りない人類には苦笑いというか、前作あれなのにあの人物をここで使うの? とか、そこの心情削るのは勿体無くない? って思いましたし、終盤のそれは流石に雑すぎないか? なんて不満点も無くはないのですが、怪獣プロレスを組み立てるのに舵を切り切ったその判断は尊重したいなあと。
互いに並び立つ相手がおり、全身全霊血沸き肉躍る決闘が劇場で観られてだいまんぞくです。