YokoGoto

アズミ・ハルコは行方不明のYokoGotoのレビュー・感想・評価

アズミ・ハルコは行方不明(2016年製作の映画)
3.7
<31歳の松居大悟監督のセンスったらない!!>

やはりね。やはり。
松居大悟監督のセンスったらない。

『私たちのハァハァ』でリアルな女子高生(以下、JK)の溢れだす熱量を、センスある映像で綴った松居大悟監督の最新作、『アズミハルコは行方不明』。あの、蒼井優さんを主演に迎えて作った長編です。

もう、最初っからセンスを感じるんですよ。
なんとなくね、F.F.コッポラの孫娘である、ジア・コッポラ監督の『パルアルト・ストーリー』と思い出しました。
あの作品も、ティーンエージャーのキリキリした女子のリアルな日常を描いていますが、そんなテイストに似ていました。

松居大悟監督にJK描かせると、カッコいいです。
なんだろう、あの時代にしか出せない熱量っていうんですか?あの時代だからこそのパワーを感じて、ワクワクする感じなんですよね。
ベタベタな邦画じゃなくて、ハリウッド映画やヨーロッパ映画っぽい編集もカッコいいです!カメラワークもいい!

それ、『私たちのハァハァ』でも感じました。

今回は、ちょっとマイナーコードな感じの描写ではありましたが、JK達が感じ悪くないんですよ。むしろ、清々しい。

女性の内なる声を代弁してるって感じなのでしょうか?
もしくは、社会から押し付けられたジェンダーへの反抗とでもいいましょうか。

とにかく、言葉は綺麗じゃないですが『男ども女をなめんじゃないよ!』って感じが、清々しいんですよ。

キリキリしながらも、それに負けない強さも感じる作品ですよね。私は、すんごい好きです!

この作品は、蒼井優さんと高畑充希さんのダブル主演みたいな感じですが、本作は実は高畑充希さんの方がいいです。
高畑充希さんは、NHKの『トト姉ちゃん』みたいな清楚なキャラより、こういう元キャバ嬢みたいなキャラのほうがはまるんですよ。
完全に、松居大悟監督は見抜いてますよね。

とにかく、31歳の若手監督の最新作は、とても良かった!

もっと、作品を作ってもらいたいと思います。
『ケンとカズ』の小路紘史監督といい、これらの若手監督は、ベタベタな邦画じゃなくて、ハリウッド映画やヨーロッパ映画っぽい作品を作れるんですよ。世代交代なんだと思います。
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