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キングスマン:ゴールデン・サークルの百合のレビュー・感想・評価

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カントリーロード…

マーリン…マーリン…故郷を喪ったマーリンはカントリーロードを歌いながら仲間のもとへ行くわけです。まあそうか、今回序盤から大活躍だったもんなあ。そうなるか。なんてことを…マシュー・ヴォーン…
今年初映画(館)。前作は爆音上映で観たからか没入感がすごかったけど今回は冒頭の音楽がイマイチ趣味に合わず引き込まれ感は弱かったかも。まあディジー・ラスカルが好きすぎるだけですが。ていうかカーアクションってそういうことではないだろというかカーアクションのつもりで作ってないんでしょうが。
往年の007のようなある種悪趣味なスパイ映画を狙っているかな?と思うのですが今回その要素は中盤の雪山のシークエンスですかね。個人的には間延びして好きではありませんがまあこれは好みでしょう。
マシュー・ヴォーンは悪役の作り方が非常に秀逸な監督だと思っていて、前作のヴァレンタインとアーサーの選民思想にはハリーの倫理が勝利するという気持ちの良い構造だったわけですが、今回の悪役も素晴らしかった。ポピーに大統領にテキーラ、悪の構造に多面性があってそこがとてもよかったです。そうなんだよ絶対に大統領みたいな判断をするんですよポリコレの人たちは…それも飲み込んでの狂人テキーラ。大変リアリティがあっていい。あの強制収容所も良かったですよね。マジで性格の悪い子どもが見る夢みたいで笑いました。
なんかもうハリーが記憶を取り戻すシーンは興奮しすぎて覚えてませんが大丈夫でしょうか。あんたがおれに羽根をくれたんだろう。最高でした。
エグジーがふたりのガラハッドでいることを主張し続けたから助かったわけで、やはりあのふたりは離れてはいけないわけです。恋をしなかった孤独と後悔。ハリーにはあらかじめ故郷を喪っている。だから記憶をなくしたハリーは「母のところへ帰りたい」と言う。なんなんですかもう…
エルトン・ジョンのシーンは全部普通に笑いました。キャラデザが最高。太ったカラフルなおじさんってだけでなんであんなにおもしろいんだ。ずるいぞ。「や、やられる…」の警備員も面白かったです。あれは死ぬ!って思うよね。
戦闘中の「ご褒美の約束」が恒例なんですが、今回はハリーなんですねえ。チケットを2枚くれる?ってなんなんでしょう。でも音楽に興味なさそう(厳密にはマーリンの好きな歌手を知らなかっただけですが)だからエグジーと妻にあげたりして…なにもう…でもそうですよねえ。‘カントリー’を持たないヒーローを描くわけですから。ハリーはエグジーを代理家族に据えることはできないのかもしれません。
もう続編作る気ないのかな〜と思ったのもこのところで、やっぱり家族を持ってしまいましたからねえ。でもそんなエグジーが確固たる主人公なわけで、どうするんだろう。次あるとしたらハリーが戻ってくるのか?でもステイツマンのクリフハンガーがありますからねえ。どうなるか期待ですが。
個人的に「古い考え方かもしれないが、レディは大量虐殺をしない。」がとても好きでした。なんというか、イギリス人…
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