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オール・シングス・マスト・パスのsonozyのレビュー・感想・評価

3.5
創業者ラス・ソロモンが、1960年にアメリカのカリフォルニア州サクラメントの映画館「タワーシアター」内で父が経営していたドラッグストア内で始めたレコード売り場「タワーレコード・マート」に始まる「タワレコ」の栄枯盛衰ドキュメンタリー。

1999年、タワーレコードは10億ドル以上売り上げたが、その5年後 破産を申請した。というオープニングテロップ。

当時の大量のレコード在庫に群がる若者たちの熱狂ぶり。
エルトン・ジョンの大量買いのシーン(運転手が近くでダンボール箱を抱え、本人はリストを片手に全ての新譜を買ったという)などのエピソード。

なにより、創業者ラスの自由なキャラと、彼の元に集まった自由過ぎるスタッフたち(飲酒やドラッグ状態のまま出勤もありとか。笑;)が楽しそう。

日本進出時のエピソードや、例の日本で生まれた名コピー「NO MUSIC, NO LIFE.」の件も含め、現在では本国とは関係ないNTTドコモの子会社ではありますが、ブランドが残っているというのが良かったですね。
晩年のラスが渋谷のタワレコを訪れ、嬉しそうに建物の上のロゴを見上げ、スタッフと握手して店内を回る姿にグッときます。

タイトル「All Things Must Pass」はジョージ・ハリスンのアルバム・タイトルとしても有名ですが、本作では廃業が迫った店舗に掲げられたメッセージ「All Things Must Pass. Thanks Sacramento.」(万物は流転する。ありがとうサクラメント)という沁みるメッセージとして出てきます。

最近はまったく行かなくなりましたが、あのLPサイズの黄色いショッパー(レジ袋)が懐かしい。
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