名倉

バジュランギおじさんと、小さな迷子の名倉のレビュー・感想・評価

2.5

王道ジャンプ漫画の様な主人公パワンの豪快で真っ直ぐな性格と話すことが出来ない幼いヒロインムンニーの家族との再会までを描く感動ストーリーで非常に心温まる作品でした。

ただ少し洗脳めいた匂いというか、この作品を批判する=世間悪みたいな、あまりに真っ直ぐな作品故に、何か嫉妬めいた様なものも感じてしまいました。

まず、パワンが素直過ぎるが故に物事がスムーズに進まないという点で自分はストレスを感じてしまいました。嘘は良くないという真っ直ぐな性格は良いのですが、それによって周りにまで迷惑を掛けてしまうパワンの行動には個人的についていけませんでした。

物事がスムーズに進まないという点はムンニーにも言えます。警官の手錠をこっそり盗んだりする手癖の悪さの様なものがパワンを窮地に追い込むシーンもそうですが、彼女の為に奔走してるパワンが可哀想と思ってしまい彼女に感情移入する事が出来ず、もっと献身的な振る舞いを見せて欲しいと思ってしまいました。

童話の様な作りの中に、現実的な印パ問題と観客にも分かりやすいミュージカル要素を取り込んだハッピーエンドで終わる今作のボリウッド映画は、自分の中でどうしてもこの全ての要素を掛け合わせるのは不可能だと感じてしまう作品でした。
名倉

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