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ノーマ、世界を変える料理のtoyocaのレビュー・感想・評価

ノーマ、世界を変える料理(2015年製作の映画)
3.8
数年前にBSでたまたま観たノーマのドキュメンタリーがとても面白くて。その時にレネが「5年頑張る」って言っていたその後がずっと知りたかったので、この映画は是非とも観たかった。

わたしはずっと勘違いをしていて、ノーマはエルブリのような、流行りの科学料理だと思っていた。
ノーマの目指すものは究極の地産地消。木の蜜を取るし、庭に咲いている薔薇も取るし、それらを美味しく食べられる為に様々な技術と発想を駆使している。

基本的にはレネのインタビューと視点で進む。ノーマはやはりレネありきの世界だから。そして、北欧の料理を作り上げ、現在いる位置、季節が分かる、大地と繋がる地元を愛する料理を作り続けるレネ自身は、移民だった事が興味深かった。差別も受け、料理のコンセプトを馬鹿にされ、世界1位になったら、それらしい装いの店にしろと言われ、三ツ星を狙えと言われ、ムール貝のノロウィルスで崖っぷちに立たされ。足元がグラつく事ばかりだけれども、必死で自分の現在地を見失わないように、その場にとどまり続ける為に、その地の料理を作り続ける。

「蝶ネクタイなんてクソ食らえだ」「アザラシ野郎の諸君、これからも頑張っていこう!」
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