社会のダストダス

ランナウェイズの社会のダストダスのレビュー・感想・評価

ランナウェイズ(2010年製作の映画)
3.8
チャーリーズ・エンジェルでイケメンだったクリステン・ステュワートの男前な姿をもっと見たい、そう思っていたときに目に入ったのがダコタ・ファニングとの共演作で1970年代後半に活動したガールズロックバンドの「ザ・ランナウェイズ」の伝記映画。

1975年のロサンゼルス、ロックスターを夢見るジョーン・ジェット(クリステン・ステュワート)はロックは男がやるものという世間の風潮に反発し、自分と同じ10代の女子だけでバンドを組もうとする。
ある日著名な音楽プロデューサーであるキム・フォーリー(マイケル・シャノン)に出会い、ドラマーのサンディ、ギタリストのリタが加入することになる。
リードボーカルを探していたジョーンとキムはナイトクラブの片隅に座っていたシェリー・カーリー(ダコタ・ファニング)に強烈なインパクトを受けメンバーに勧誘し「ザ・ランナウェイズ」を結成する。

何せ自分が生まれる前に存在したバンドなので、正直よく知らなかった。代表曲『Cherry Bomb』は聞いたことあるかもしれない程度の認識。(エンディングでかかるジョーン・ジェットのソロ曲『Bad Reputation』はアヴリル・ラヴィーンがカバーしたバージョンを知っていた)。
『Cherry Bomb』はシェリーのオーディション用に作られた曲で、劇中ではマジで即興で生みだされていてビビる。

革ジャンにギターで期待通りのイケメンだったクリステン。このころはまだ「トワイライト」シリーズの最中だったか、あっちの役とは全然イメージが違うのは流石といったところ。漫画とかでよく見る女子にモテるタイプの女子といった印象。

そして「リリィ、はちみつ色の秘密」から2年で狂気の変貌を遂げたダコタ・ファニング。ガーターベルト姿でパフォーマンスし観客を煽り、私生活でも酒、煙草、薬物といった三種の神器をキめている。煙草を吹かす姿がこんなに絵になる16歳が存在するとは(-。-)y-゜゜゜(いけないことですが…)。冒頭のデヴィッド・ボウイの口パクのパフォーマンスで野次を飛ばす観客に両手中指を突き立てるシーンがカッコいい。

本国アメリカよりも日本での人気が高かったバンドということで、メンバー間の軋轢が表面化していった日本公演の様子が描かれている。ジョーン自身が後に「まるでビートルズ旋風」と例えた日本人ファンの熱狂ぶりが凄まじく、楽屋に押し寄せる様はまるでゾンビ映画のワンシーンを観ているよう。

短期間でスターダムを駆け上がるも、シェリーの薬物問題やプロデューサーのキムによる売り出し方への反発からバンドは瓦解していく。バンドは残念な結末を迎えてしまうけど、ジョーンとシェリーのラジオ番組を通じての会話はその後の二人の人生を調べるとグッとくるものがあった。

観ているあいだ違和感無さ過ぎて気にしてなかったが、ダコタもクリステンも普通に歌がうまかった。