このレビューはネタバレを含みます
自主映画監督の独りよがり、未熟さ、現場で恋しちゃうところ、失恋しちゃうところ。そんなんですぐダメになってしまうところ。主演の子と録音技師のハメ撮りで怒りながらもオナニーしてしまうあたりが飛び道具っぽくてちょっとあれだけど、何となく予想できちゃうし。
そうやって挫折して、キレられて見放されて、でも復活しようとするところでそれが監督の実話に基づく劇中劇とわかる。そこで初めて本編の安っぽい映像の真意がわかるんだけど、「映画を撮るという映画」をとる人の映画というメタ構造はカメ止めと一緒。上田さんの場合はその「映画を撮るという映画」という非現実とその映画を撮るという現実がコミカルに交差する面白さがある。過去作然り、そういうのが上手い。
じつは劇中劇でした。というオチに頼りすぎて、まだまだ立体的になる脚本の可能性に気づけなかったところが惜しい。
面白かったんだけど。