塩野ダイ

コインロッカーの女の塩野ダイのレビュー・感想・評価

コインロッカーの女(2015年製作の映画)
3.8
ちょっと長いなとは思ったけど、なかなか面白かった!

産まれてすぐコインロッカーに置き去りにされたイリョンは、金貸し一家に拾われ裏社会にどっぷりと染まり大人になる。

異性を知らない仕事一筋の主人公が、取り立て相手に惚れてしまう割りとありがちな展開ながら、そんな甘さなど微塵もない世界。それが火種となり悲劇の後半戦へと突入する。
返済できなければ殺して臓器を売って回収するなどの容赦ない裏社会の世界観や、子供から大人への成長の見せ方や、前に出てきた事を後に活かす辺りもシッカリしてる。

イリョンを演じたキム・ゴウンの男っ気無さと表情の機微、お母さんを演じたキム・ヘスの説得力ある女ボス感、プラス残りの3人も含めとにかく擬似家族の家族構成とキャラのバランスが良い!

話は似てないけど『新しき世界』とか好きならオススメ。もっともっとこじんまりした話だけど。あと韓国映画って本当包丁好きよね。

こういう当たりを観ちゃうとイ・ビョンホン主演の『インサイダーズ』を見逃したのが悔やまれる。
塩野ダイ

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