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Doglegsのmiのレビュー・感想・評価

Doglegs(2015年製作の映画)
3.5
障害者プロレス団体のドキュメンタリー。
のっけから健常者が障害者をぼっこぼこに殴るシーンや、流血するシーンなどこれは何を見せられてるのか戸惑うようなシーンが連発される。
賛否が間違いなくあるような強烈なシーンだ。
しかし、障害者である彼らは生きがいを求めて、居場所を求めてプロレスを続ける。
当たり前のことだが、障害者だって介護は必要かもしれないが、自由に生きたいのだ。その真理を突きつけられた以上、試合は本気でやる。だから、みんな本気だしケガだってする。
口先だけでなく本気のボランティアがそこにはあったことに震えそうになった。
彼らは日々を本気で生きている。羨ましくさえも思えた。
途中には恋をして告白するシーンなんかもあったし、障害者の日常を正面からカメラに収めているのは、いまだ差別や偏見まみれの日本人が監督ではなく、アメリカ人だから撮れたのだろうか。
主人公とは別に、ガンとうつと戦う男がでてくるが、どうしようもなく狂気を孕んでいてヒヤヒヤした。

しかしながら、音楽が劇中にかかりまくって煽る演出はよろしくない。
健常者として戦う北島も、もう少し一般人が理解できる言葉で生きる意味について話して欲しかった。
一種のSMだとか、俺は変態だとか、そういう言葉で片付けてしまうのは、ある種自分を蔑んでるし、見る側としては快くは思えなかった。
いずれにせよ、結構な衝撃作。
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