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ヨーヨーのsonozyのレビュー・感想・評価

ヨーヨー(1965年製作の映画)
5.0
ピエール・エテックスが愛するサイレント喜劇と、幼い頃から憧れたサーカスへのオマージュに溢れた代表作。
サイレント映画の時代、トーキーの時代、映画/テレビの時代と、その時代に即した演出で展開されるモノクロ作品。
トリュフォーが絶賛し、ゴダールがその年のベストテンに選出したという。
カンヌ: Best Film for the Youth
ヴェネツィア: OCIC Award

〈サイレント映画の時代〉
1925年。宮殿のような大邸宅に暮らす億万長者氏(ピエール・エテックス)。
ヨーヨーと愛犬がお気に入りで、何十人もの使用人、庭園、楽団、女性ダンサー…いたれりつくせりの日々だが、一人になると机の引き出しに入れてある離れ離れになったらしい女性の写真(絵)を眺めては遠い目。
ある日、サーカスの一団がやってくると貸し切りにし、彼は一人で観戦。曲馬師として現れたのがその彼女だった。
彼女にはピエロのメイクをした息子(名はヨーヨー)がおり、彼の息子だと知るが、サーカス団は次の村へと去っていく。

〈トーキーの時代〉
1929年。世界恐慌に突入。財産を失い、邸宅を捨てた彼は、彼女とヨーヨーをサーカス団から引き抜き、3人だけのサーカス団として巡業生活を始める。
幸せな10年が経ち、両親と離れピエロとして活躍するヨーヨー(ピエール・エテックスが二役で演じる)は可愛い少女イソリーナと親しい。
やがて軍拡時代・国際情勢の悪化・戦争で、生活環境は悪化。兵士たちの前でピエロを演じていたところ、ヨーヨーは逮捕されてしまう。
その後解放されたヨーヨーはサーカス団のメンバーと久々の再会後、朽ちてしまったあの大邸宅を元に戻すことを決意する。

〈映画/テレビの時代〉
俳優、実業家として成功するヨーヨー。
目標だった大邸宅の復旧も終え、盛大なパーティーが開かれる・・

何度か登場する美しいイソリーナ(クローディーヌ・オージェ)が印象的。
哀愁溢れるラストシーンも素晴らしい。

ジャケットはこちらのピエロのイラストの方がいい感じです。
https://www.criterion.com/films/28454-yoyo
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